2006年 新年のご挨拶



『恋をしょう』編



海斗「あけましておめでとうございます。皆様、保科海斗です。ほら、詩歩、君も…」

(海斗に促され、ためらいながら前に出てくる詩歩)

詩歩「え、だって…誰も目の前にいないのに、挨拶するのって恥ずかしいんだけど」

海斗「僕がいるよ」

歩「それはそうだけど…って、海は聴く側じゃなくて、挨拶をする方でしょ」

海斗「細かいことはいいよ。
   僕たちの目の前に誰もいなくても、聴いてくれてるひとがいるだろ。
   それは君も知ってるじゃないか」

詩歩「そうでした。えっと、渡会詩歩です。
    いつもやさしい風を訪れてくださってありがとうございます」

海斗「詩歩、新年の挨拶を忘れてるよ」

詩歩「そ、そうでした。皆さん、あけましておめでとうございます」

海斗「昨年は、『恋をしよう』だけ、続編・番外編がなかったんだよね。
    クリスマスバージョンもたくさんの票をいただいたのに、けっきょく、応えられなかったし…
    まあ、それらを気にして、今回、僕らをお正月特番のトップバッターにしたんだろうな、きっと。」

(にこやかに微笑みつつ、詩歩に振り向き、やおら、空間を見据える海斗)   ≪こ、怖わー≫

詩歩「海…顔が怖いんですけど…」

海斗「なにが?そんなことはないさ」

詩歩「
…その微笑みが、怖いんだけど…」   ≪ホントだよ ブツブツ

海斗「何か言った?」

詩歩「いえ、な、なにも」 ≪…
ハヒョッ!!…≫

海斗「まあ、『恋は難敵』もないわけだけど、 ≪そうそう…≫
    あの話そのものが『思いは果てしなく』の番外編のようなものだし…
」  ≪そ…≫沈黙

詩歩「恋は難敵のお話は、海のお姉様の唯さんがヒロインなのよね」

海斗「そうだね
    相沢さんについては、彼の行動派なところなんか、僕もそれなりに好きだよ。
    ところで、6月にチャリティーオークションがあったところで、『恋をしょう』は終わりましたが、
    7月8月と夏休みを迎え、僕らにとっては数々の忘れられない出来事がありました」

詩歩「うんうん」

海斗「続編としては、そこのあたりなのかな…?」

詩歩「うーん?どうなんでしょう」

海斗「詩歩、何か聞いてる?」

詩歩「何も…たぶん」

海斗「たぶん、何?まあ、だいたい見当はつくけどね」

詩歩「その見当どおりだと思うわ。…きっとあのひと、何も考えてない」

 ≪し、詩歩…シクシクシク…

海斗「いつものことだけどね…」

た、たしかに…そうだけど…も、もう…帰ろう…年初めから疲れた…

詩歩「海、だからその笑みが怖いんですけどぉ」

海斗「いきあたりばったりってのは、あのひとのためにあると思うよ、僕は…」

陸「いきあたりばったりって、生き当たりばったり倒れるってことか?」

(突然現れて、海斗と詩歩の肩をがっちりと抱える矢島陸)
(海斗は、詩歩の肩を掴んでいる陸の腕を少々手荒に外し、陸を詩歩から引き離す)

海斗「矢島、呼ばれてもないのに、何しに来たんだ」

陸「お前、相変わらず嫌なやつだな。微笑みながら、人のハートをブチッと潰しちまうんだから。
  その笑いの成分に、何を含ませてんだよ?あいてっ」

(陸の後頭部をぱこんと音がするほど叩き、海斗と詩歩に微笑むくるみ)

くるみ「また陸が何かほざいてるの?馬鹿は相手にしないに限るわよ。馬鹿がうつるから」

陸「馬鹿馬鹿って、馬鹿を連呼すんなよっ!くるみ、お前の毒、まったりと濃度が濃くなってね」


(矢島の言葉を風のように受け流し、くるりとこちらに向き、にっこりと微笑むくるみ)

くるみ「皆さん、あけましておめでとうございます。柏井くるみです」

陸「くるみ、人のこと無視すんなよ。失礼なやつだな」

くるみ「新年の挨拶にきて、挨拶忘れてるひとの方が失礼よ。ねぇ、詩歩」

詩歩「え?え〜っと…」

海斗「矢島、出て来てしまったら仕方がない、早く挨拶したらどうだ」

 陸「なんだよその、仕方ないってのはぁ」

詩歩「では、矢島陸さんの新年の挨拶です。どうぞ」

陸「詩歩、そんな取ってつけたような紹介、みっともないからいらねぇって
  …なんか純な詩歩までこの最近…」

海斗「挨拶だ!」

(そう言うと、陸の背中を思い切り手のひらで叩く海斗)
(バシンという音とともに、前につんのめる陸)

陸「げほっ!背、背中をどつくなよ、ひとを殺す気か、てめぇ」

海斗「矢島は、礼儀知らずなため、挨拶をする気がないようですので、
    恋をしようメンバーからの新年の挨拶はこれにて終了します」

くるみ「では、みなさん、これからもやさしい風をよろしくね。くるくるくるみでしたぁ♪」

陸「こらっ、てめぇら、勝手に、ム、ゴゴゲ…」

詩歩「…い、いいのかなぁ。…では、あの、リクエストいただいています、恋をしようの続編をお楽しみに」

陸「ごほっ、ごほっ。くそぉ、てめぇ、保科ぁ。あ、どこ行くんだよぉぉ。
  俺、まだ挨拶が…待てってばぁ…。み、皆さん、そいでは。
  念のために言っておくけど、俺、別に、あいつらに嫌われてるわけじゃないっすから
  …だよなぁ? そ、そんじゃ…」

パタバ
バタ

「待てってぇ〜」
詩歩「矢島君、新年の挨拶、ちゃんとしてきたの?」
陸「あ、ヤバイ、しまったぁ」


バタバ
タバタ

「皆さん、新年おめでとうっす、こりからもよろしく。あ…か、噛んじまった。
   赤っ恥だーーえーん、待ってくれよー、みんなぁぁぁ






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