2006年 新年のご挨拶



『律儀な子猫』編 



(周りを見回していた深沢、あなたの視線を感じ、正面に振り向く)

道隆「どうも。皆様、明けましておめでとうございます。深沢道隆です。
   僕のすぐ後ろに着いて来てたはずの澪が…どこかに消えてしまって…」

(もう一度周りを見回し、諦めてため息をつく道隆…)

道隆「すみません、ちょっと探してきます」

… … …十五分経過 (この間に、おとそでも、どうぞ…)

澪「はぁはぁはぁ、あれ、ここじゃなかったかな?深沢さーん」

きょろきょろきょろ

澪「ミッチー、フカミッチー!」

(あれほど嫌いなフカミッチーの呼びかけでもまったく返事がないということは、彼はこのあたりにいないということだ)

澪「…いないみたい。どこ行っちゃったんだろう…」

(心細さが湧き上がり、いくぶん涙目になる澪)

司「何やってんの。澪」

澪「あ、やなやつに、見つかっちゃった…

司「何をぶつぶつ言ってんだよ。また専売特許のボケかましてんだろ」

澪「失礼なっ。そんなこと…あ、そうだっ。
  皆様、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
   …あの、フカミッチー見ませんでした?

司「だから、なにごちょごちょ言ってんだよ?」

道隆「澪、探したぞ」

道隆「あ、フカミッ…フガフガガ…」

(注釈1:道隆の大きな手で、しっかり鼻と口を押さえられた澪、窒息状態で気絶寸前…)

司「あ…こいつ…」

(愉快そうだった顔が、道隆の登場に一瞬にして不機嫌に変化する司)

道隆「君は、コンビニの…」

澪「く、苦しい。息が息が…」

道隆「ああ、澪、ごめんごめん」

澪「苦しかったぁ。…もう逢えないかと思ったぁ。良かった逢えて、フカミッ、フガガ…」

(注釈1に同じ…)

司「あんた、死ぬぞ、そいつ」

道隆「君に言われなくても分かってる!澪、挨拶して、さっさと僕らの家に帰ろう」

(『僕らの』を、ひどく強調したい道隆)

澪「ゼイゼイゼイ…。あ、挨拶なら、もうすみました」

道隆「なんだそうか。それじゃ、帰ろうか」

澪「はーい。それじゃあ、司君、バイバーイ」

(道隆に腰のあたりをがっちり掴まれつつ、司に手を振りながら去ってゆく澪)

司「なんか、すっげぇムカつく…」





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